住まいは暮らしに合わせて変えていく

人間には誕生→幼年期→青年期→壮年期→老年期というライフサイクルがあります。その人間の住まいもライフサイクルに合わせて新築→修繕→増・改築→建て替えと大きく変化します。さらに模様替え、あるいはシーズンによるカーテンの掛け替え、畳の表替えなど、住まいはさまざまに変化します。「十年一昔」という言葉がありますが、最近は「五年一昔」あるいは「一年一昔」というように世の中の変化がスピードアップしています。このスピードに合わせて、暮らし方も変化しています。たとえば、台所も研ぎ出しコンクリートの流し台が長く続きましたが、ステンレスの流し台、そして現在はシステムキッチンといわれるインテリア化した台所になってきました。また、台所には、冷凍冷蔵庫、ガスレンジ、電子レンジなども当り前になり、流し台とガス台だけだった時代からみると、調理器具が豊富になり、置き場に困るほどです。台所や各部屋に置くものが増えると、当然、空間は狭くなります。新設住宅の着工統計を見ると「持家」という分類の住宅の全国平均述べ面積は、昭和三○年頃までは、住宅不足もあって六五㎡でしたが、それから年々広くなり、平成三年には二倍以上の一四○㎡に近づいています。この新設住宅の床面積の増加は、既存住宅の生活者にとっては、その差だけ住みにくくなったともいえます。さて、暮らしの変化による住まいの改造は、台所の増・改築が圧倒的に多く、ついでリビングルーム(居間)の増築が目立っています。増築のしにくい、マンション(集合住宅)などでは、収納壁にしたり、壁紙を張り替えたりといった模様替えがさかんです。少しでも暮らしの変化にあわせようという試みでしょう。暮らしの変化は、生活スタイルの変化だけではありません。家族構成もさまざまに変化します。子供の増加、子供の成長、子供の結婚、両親との同居といったような増築ニーズが生じたり、子供が独立して別居したりといった家族の減少もあり、空室を改築して貸家・貸室にといった改築・増築ニーズもあります。このように暮らしの変化は、必然的に住まいを変えていくことになりますし、逆に住まいを変えることによって暮らしが変わるといったこともあるのです。

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